近藤義歯研究所 歯科技工士
小澤紘史インタビュー

実際に入れ歯を作ってくれるのは「歯科技工士」さんです。
当院で「超精密入れ歯」を作る場合、歯科技工士の立ち合いがあります。
「技工士さん??どんな人なのかしら?」
実際に当院に来る技工士さんのうち、2人にインタビューをしました。

もう一人の技工士さんのインタビューはコチラ
歯科技工士インタビュー(山本浩之)

目次

  1. 「あそこもダメ、ここもダメ」と藁をもすがる思いの患者さんがたくさんいる
  2. とても気さくな院長先生です
  3. 患者さんが良くなるように・・・入れ歯で不自由なく日常生活を送れて、食事が出来るために
  4. 部分入れ歯は「設計」が命
  5. 「料理」と「歯科技工」は似ている?
  6. 「調整をしてもうまくいかない」なら、違う医院さんに行ってみるという勇気も必要
  7. 取材後記

1.「あそこもダメ、ここもダメ」と藁をもすがる思いの患者さんがたくさんいる

小澤さんがリハビリ入れ歯セットを担当した方(インタビューはコチラ)は、「以前から近藤義歯研究所を探していた」とお話ししていました。

だいぶ前から「タウンニュース」で弊社の事を知って、弊社で作ってもらいたいという思いがずっとあったというお話はお聞きしています。
「あそこもダメ、ここもダメ」と、本当に藁をもすがる思いの困っている患者さんが多くいると日々痛感しています。
歯科技工士もチェアサイド(診察台の脇※普段は「歯科技工所」での入れ歯製作がメインです)に出て先生と一緒に治療に当たることで、患者さんの満足度が上がる技工物(入れ歯)が出来ることは実感しています。

2. とても気さくな院長先生です

院長先生はどんな先生ですか?

とても気さくな先生で、フラットな感じでお話しできる先生です。
技工所(所在地は相模原市)にも時折遊びに来てくれます。

受付・歯科助手の大谷さんが「寄り添って話を聞いてくれる技工士さんだ」と言っていました。
そもそも技工士さんが歯科医院に来ること自体が、珍しいですよね?

そうですね、「自費の入れ歯だから、歯科医院に歯科技工士が来る」という医院さんばかりではないですね。

3. 患者さんが良くなるように・・・入れ歯で不自由なく日常生活を送れて、食事が出来るために

先日、リハビリ入れ歯のセットの一部始終の取材をしたんですが、仕事している目がカッコいいですね!
どういうことを考えて立ち合いをしていますか?

ありがとうございます。(照れ笑い)
いつも思っていることは、いちばんは患者さんが良くなるように、弊社で作った入れ歯で不自由なく日常生活を送れて、食事が出来て・・・本当にそれに尽きますね。
立ち会っている時に自分が意識しているのは、患者さんの目の前に行くようにしているんですね。
目の前に立って正面から診た方が、患者さんの表情、実際のアゴの動きが分かります。
弊社代表の教えでもあります。
入れ歯を入れた時の「患者さんの表情」も見ています。

「痛くても言えないことがありそうな表情」も見逃さない、ということでしょうか?

はい、そうです。
違和感なく本当に問題がなければ、笑顔になってくださる。
調整が必要な患者さんは、どうしても表情が曇る感じになります。

本心で言ってないかもしれない、という表情も見逃したくないんですね。
でも、患者さんは「これ以上言ったら悪いかしら?」と思いますよね。

そうですね。
「ちょっと調子が悪いけど言えない」という表情、そこも見逃さないようにしています。
神賀先生も患者さんに不具合がないかどうか?など、いろいろ聞きだしてくれます。

「入れ歯の調整の回数=入れ歯の出し入れの回数」なので、患者さんも技工士さんも根気がいると思いました。
「入れ歯を作ってくれる人に会える」というのは、患者さんからするとムッチャ安心感だと思います。
入れ歯をどこで誰が作っているか?分からないまま「入れ歯難民」になっている方、多いと思います。
私の家族に聞いたら「入れ歯って、工場で作っているんじゃないの?」と言っていました。
それくらい認知されてないですよね。

多い場合「6回」お会いするのですが、それだけお会いしていると「いや~すごい食べられるようになったよ~」とか世間話的なことも出来るような関係性が作れていきます。

入れ歯を作っているのは、どこ?
入れ歯を作っているのは、誰?

印象深い患者さんは?

「これが食べられなかった、あれが食らべれなかった」というのが、KGKデンチャー(超精密入れ歯)を入れて食べられるようになったとお話ししてくださった患者さんですね。

具体的に何が食べたい、教えてください。

たくあん、多いですね。
ナッツは細かく砕かれるので、KGKデンチャーを入れる前は「入れ歯と歯ぐきの隙間に入って痛かった」という患者さん、多いですね。

ナッツは挟まりますよね、痛いですよね・・・。
食べられないって本当につらいと思うんです。
以前お話を聞いた患者さんが、お正月の集まりでローストビーフが出たけど、孫がいるから食べられないって言えなくて、小指の先くらいに小さくして丸呑みしていたという方のお話を聞いたことがあります。

入れ歯カウンセリングでも、皆さん最初は「問題なく食べられています」と仰るのですよね。
深堀りして聞いていくと「細かく小さくして食べている」、それを患者さんとしては「問題なく食べている」と認識しています。
このようなチェック表で食べる度をチェックします。)
そこまで細かくすると「普通に食べられている」とは違うと思います。
それをある程度の大きさでそのままガブっと食べられた方が、食事をしていても楽しいと思いますし。

4. 部分入れ歯は「設計」が命

部分入れ歯で、超精密入れ歯は対応できますか?

専門的な言葉になるんですけど、残っている歯の分類があるんです。
アイヒナーという分類方法(下記画像参照)があって、奥歯でも小さい奥歯と大きい奥歯があり、4点が上と下で噛んでいるかという分類です。
その4点のうち2点なくなっていると、KGKデンチャーをお勧めしています。

プロフェッショナルな回答ですね!
また、院長先生が「クラスプ(バネ)掛けたら、それを中心に入れ歯は回転する入れ歯があるんですよ。」と恐ろしいことを言っていましたが、1本だけ残っている歯は、抜いて総入れ歯にした方がいいんですか?

どちらかというと総入れ歯の方が良いといえばいいですが、そこを残しておくことでメリットがあるケースもあります。

抜いたほうがいいかは、一概に言えないということですね?

クラスプ(入れ歯のバネ)を支点にして入れ歯が回転するというのは、入れ歯の設計上に問題があるからです。

入れ歯は「設計」が肝だと、近藤義歯研究所の代表がお話ししていたことを思い出しました。
家だって設計図なしでは立ちませんよね。

部分床義歯(ぶぶんしょうぎし:部分入れ歯)の設計では、どこにクラスプ(バネ)を掛けるかとか、歯の上に入れ歯が沈みこまないように金属を乗せたり・・・。

歯の上に乗せる?

残っている歯の上に(入れ歯の)金属部分を乗せるんです。
入れ歯で噛んだ時に、入れ歯が沈みこまないようにします。
それをどの歯に置いていくかを設計して、入れ歯が動かないようにします。
1時間くらいかけて設計します。
残っている歯に負担を掛け過ぎてもいけないので負担を分散する、あと違和感がない形を考える・・・。

もしかして、「超精密入れ歯」は総入れ歯の方がいいんですか?

部分入れ歯でも超精密入れ歯のパワーは出せますので、大丈夫です!

以前別の技工所にもお勤めだったそうですが、他の技工所との違いは?

いちばん違うのは、入れ歯の専門家である私たちが先生を全力でサポートするところです。
基本、歯科技工所は先生から来た石膏模型をもとに先生の指示書の通りに作ります。
弊社は入れ歯専門技工所として「こういう風にすると、よりいいですよ」などのアドバイスさせていただき、患者さんに違和感なく入れていただける入れ歯にするために全力でサポートしています。

近藤さんの持っている「入れ歯ノウハウ」を余すところなく共有しているんですね!
入れ歯だけの技工所も実は少ないですしね。

(カメラマンより質問)イケメンで困ったことあります?
おばさまはドキドキするんじゃないかと思います、まつ毛、長いですし・・・。

(一同爆笑)やりづらいと思ったことはないです。
もしそう思っていただけたら、光栄です。(笑)

イケメンの方がいいですよね、そりゃ。歯医者に行くのが楽しみになりますから。(笑)

5.「料理」と「歯科技工」は似ている?

最近のマイブームは?

たこ焼き、作っていますね。
チキン南蛮もタルタルソースから作っています。

料理と歯科技工は似ていますか?

そうですね、段取りを考えたりするところは通じるところはありますね。
段取りは、歯科技工士の仕事上とても大事なことです。
うちは共働きで、料理も一週間分の作り置きを週末にするので、そうすると結構な数を作らないとならない=段取りを考えてないとならないので、似ています。

6.「調整をしてもうまくいかない」なら、違う医院さんに行ってみるという勇気も必要

入れ歯でお悩みの患者さんに、一言お願いします。
入れ歯相談会に行って、今までと違う医院さんで入れ歯を作るということは、前の先生にさよならする、ということですよね。
「いい先生だから変えるのが申し訳ない」という話しが患者さんインタビューの時に出ていて、分かるなあと思っていました。

今伝えたいことは、本当にたくさんあるんですけれど。
今行っている歯科医院さんで「調整をしてもらっても、うまくいかない」というところがあれば、違う医院さんに行ってみるという勇気も必要だと思います。
ここの院長先生は、患者さんが違和感/不具合として感じていることを全部伝えてもらっても、ちゃんと対応してくださる先生です。
また、弊社にもご相談いただいて先生と一緒に問題を解決していくというスタンスですので。

作って終わりじゃないんですね、それを聞いて安心しました。(ほっ)

ファイナル入れ歯のセット後、調整は先生にしていただきますが、弊社にもご連絡いただいて調整の時にお伺いして一緒に調整させて頂いたりします。
私たちが立ち会わせていただいたケースに関しましては、全面的にサポートしますのでご安心していただければともいます。

最後まで面倒みていただけるということですね!(喜!)

はいそうですね。
まずは一度、入れ歯相談会が無料でありますのでお話を聞かせていただければと思います。
入れ歯カウンセラーと入れ歯専門技工士が、お待ちしております。
メールでの無料相談はコチラ

インタビュー:2025/1/9

7. 取材後記

患者さんの目の前に立つ意味は、患者さんの表情の一点の曇りも見逃さないという意味だと初めて知りました。
また、技工所の取材時に実際に設計している姿を見ました。
口腔内の様子を転写した印象をみて、いかに患者さんの負担が少なく快適に使えるかを頭をフル回転して設計しているのだと確信しました。